ようやくゲットです。
フジ子・ヘミングさんのものです。
私はこの曲は、竹宮惠子さんの「変奏曲」のイメージアルバムLP(ふ、古い!)のヘブラーのピアノで出会いました。漫画では手術不能なファロー四徴症の天才少年ピアニストの十八番の一曲と言う設定で、ヘブラーの軽やかな音がいかにも戴冠式の若き皇帝の姿をほうふつとさせるもので、後にはヘブラーのアルバムを手に入れて繰り返し聴いた曲のひとつです。
一方、フジ子さんの皇帝は戴冠式の華やかさよりも、「為政者」として日々困難な決断を下す大任を背負った一人の人間の存在を描いているように感じられました。
>臣民を幸せにするために王さまは生まれてきたのよ。
と言ったのは「ブルボンの封印」(森川久美さん)の主人公。その王さまはルイ14世だったかと思うのでベートーベンが捧げたナポレオン(でしたっけ?)とは違うのだけど、フジ子さんの皇帝はその執務王とイメージが重なりました。
王宮の庭を歩き、木々の緑色の中で深々と深呼吸するときも国民の幸せを考えていると言う理想の姿が音で表されているようです。
音楽の中でも、そっと背中を押してくれる音達は心の底にコロリンと居場所を作っていつか宝物になっていきます。そういう音楽が増えて行くのは楽しみです。