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って、どういうタイトルなんだ(≧▽≦) 内田百間(間でなくて、門構えの中は月)の「ノラや」というエッセイとも日記とも付かない文章を久々に手に取ってみた。映画「まあだだよ」で素材になった人でもあり、夏目漱石の弟子だった人でもあるのだけど、その人の飼い猫の物語。 言わずとしれた、漱石の「吾輩は猫である」は日本近代文学史上で五本の指に入る有名な作品だと思うのだけど、それをパロって「彼は猫である」と言うタイトルを付けたりする彼は、ノラと名付けた尻尾の先が鍵のように曲がってる日本猫と一緒に住み、そしてその猫がいなくなってどれほど悲しかったか、を綴っていくのだ。 百間氏は、夜に執筆をして昼頃に起きだして夕食を食べてまた夜になったら執筆して。という完全夜型人間なのだけど、その彼が飼い猫がいなくなったと嘆き悲しんでいるときに昼間に猫の心当たりがあると電話や手紙が来るとその確認をするのは、妻であったり彼の知人や弟子だったりするのだ。百間氏は、猫の情報があってもまず見に行かないで家で泣いているのに、その間に「この人を何とかして守ってあげないと!」と思う人達がどんどんアイディアを出して動いていくすがたは、ただ泣いているとは言い難くて一つのリーダーシップの形を見るような気がして仕方ないものだ。 泣いてばっかりいても、自分だけが不幸だとはこの人は思ってなくて、ただの駄猫のために多くの人の手間と時間を取らせることの申し訳なさを感じているのだ。感じながらもそれ以上に飼っていた猫が辛い思いをしていないかと思ってしまうようだ。そして、周りの人間はそれぞれが「自分の役割だ」と信じて百間先生を助けるためのベストを尽くしていくのだ。 百間先生は「物書き」の習性として、自分の心の中に起きた「悲しみ」を文章として捉えていくのだけど、その悲しむパワーは半端ではない。いなくなった猫が寝ていた座布団を動かすのが可哀想だ、と、風呂のフタにあった座布団を動かさないためになんと自分も妻も風呂に入らない。ノラが好きだった卵焼きを見るのが辛いから、といつも頼んでいたすしの出前を取るのを止めてしまう。止むに止まれぬいなくなった猫への思いの純粋さとこの人の頼りなさげに見える眼差しが、周りの人に「助ける」ことに価値を見いださせたのだろうか。 猫が一匹いなくなって一年以上も、涙が出て仕方がない、と言う泣き虫で優しい心の持ち主は、おそらく周りの人に優しい眼差しを注いでいたのかもしれない。と文章に書かれていないものが見えるようだった。 こう言うリーダーシップもあるのか、と、リーダーとは力任せに周りの人を引っ張るように思っていた思いに、目から鱗が落ちる本だった。 百間先生は、ここまで猫一匹のために悲しんでいるというのに、「私は猫が好きなのでない。ノラと、ノラが一緒にいた時間が大切だっただけなのだ」と最後まで書くのだ。付きあう人達に対してもそれぞれに、薄かったり濃かったりはするだろうけど、その人達と「一緒にいる時間」に愛おしさを感じていたかもしれない。 そうなのだ。人はしっかりきちんとしてさえいれば他人にとっても良い人、と言うのでは決してない。のだ。「情」と言うものの織り込みようが、他人に伝わる大切な部分なのかもしれない。
by talbo-style2004
| 2006-01-24 23:44
| 読書
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Comments(4)
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by
gy1117 at 2006-01-25 21:04
面白そうなお話ですね。
確かにモノのとらえる方向を変えると 思わぬ見え方にハッとすることも・・・ 人を動かすリーダーとは聡明で強いイメージがあるけれど 人の気持ちを動かすのには確かにこんな動かし方だってあるんだよね。 情が希薄になっている今、もっと感性を磨いて情深い人間にならないとね。 良いお話をありがとう♪
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ともこ
at 2006-01-26 01:31
x
思わず、内田サンのおうちで読みさしの本を引っ張り出して読んだ。
「残夢三昧」だけど。最初の火事の描写に心が惹かれて、買ったんだ。 ニュースで見れば、申し訳ないけれど遠くの他人の家の家事。でも、この人が書いてるとさ、こう、おばあちゃんのおせっかい、考察、教え付きの昔話みたいで、読んでいて、ぼんやりできるの。うーん、何て言ったらいいのかなぁ。興味深々で聞いていればいい子供になれるっていうか。そういうの、心地いい。 「ノラや」も読んでみるかぁ。 でも、きっとさ。リーダーシップなんて言葉聞いたら逃げ出しそうだよね?(笑)違うかなぁ・・・。
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talbo-style2004 at 2006-01-28 23:55
はなみずきさん>
こちらこそ、 長文を読んでいただいてありがとうございますっ(^0^)/ >情が希薄になっている今、もっと感性を磨いて情深い人間にならないとね。 を、読んで思わず自分の文章を読み直しました。 「!、そんなに深いことを書いていたなんて!」 ・・・ブログが面白いのは、こう言う風に、 自分の気付いていない自分の書いた文章の意味に気付くところ、 と言うのもあるかも。 かなうことなら猫も、情深い人間になりたいです。
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talbo-style2004 at 2006-01-29 00:01
ともこちゃん>
残夢三昧は読んでないわ。 (多分。沢山文庫本を捨てちゃったので、 自信はないけど) >興味深々で聞いていればいい子供 に、なるのって、楽しいよね。 大人になると言葉にも行動にも責任がかかってくるから(≧▽≦) >リーダーシップなんて言葉聞いたら逃げ出しそう きゃぁ♪ ともこちゃん! そこのところを分かってくれてありがとう(⌒▽⌒) 何度も破産してるし、 風だか雷だかが怖いからそういう日は雨戸を立ててジッとしてる。 そんな頼りない人。と思ってたのに今回読み直して、 「ん?この人、タダもんじゃないんちゃう!」と思ったのが可笑しくて、 こんな長い文章を書いちゃいました。
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