「生きて死ぬ智慧」(柳澤桂子著 小学館)
と言う本に巡り合いました。
不治の病で闘病生活をしているDNAの二本螺旋を探る生命科学者が、
お経の中でも一番短い般若心経を「心訳」している言葉が、
人気の有るらしい堀文子さんという日本画家さんの絵の中に、
浮遊しそして、すぅ〜っと沈んでいくのが、
読まなくても見ていても心に、爽やかな風が吹き渡ったり、
また、生きているからこそ生まれる苦しみの痛みを感じたりする本です。
最初に、般若心経の解説本を読んだのが、
著者を忘れましたがヨーガの日本人の研究者の書いたものでした。
東洋の瞑想や、密教の祈りのために声を出すことや、
ヨーガの精神との融合をさりげなく書いたスケールの大きい本で、
その本で「ありがたいお経」と母が言っているお経の姿に触れました。
その後、自分の未来への意志も苦しみもこのお経は解決してくれない、と、
しばらくは離れていたのですが、最近、意識しないのに、
このお経について書いた本に巡り合います。
解夏も、エロイカの創り方も、この本も。(この本は表紙の鮮烈な絵に心魅かれて)
この本は、宗教を信じない現実主義者の人の心にも触れるかもしれません。
それは生命科学者が自分で研究を重ねて実証してきた命の姿を、
般若心経の言葉を使って説明している絵本、とも受け取れるから。
何かをしてくれるものだけがありがたいのでなく、
何もしないけれど変わらずに存在していてくれるものが有ると言うこと。
それが自分に関わらなくても
「不変」に存在している物が有るというだけでも、
ありがたいものなのだとふと思った今日は、雨。
・・・一日中現実から逃げてお部屋にちょっとこもっていました。