洗いたてのTシャツをパンパンって叩いて、
きゅきゅっと伸ばして晴れたベランダに干す。
小さな子どもがいる家庭なら毎日の景色。
そんな当たり前の生活を長いことしてなかったんだ。
忙しいと洗濯物を干したことも忘れて
何日も経ってしまってたりしてからは、
ずっと部屋干し。
部屋も広かったから、できたワケでもあるけどね。
だから、空や山をぼお〜っと見つめて、
お洗濯ものを干していることが嬉しくって。
部屋に散らかったあれやこれやに
居場所を見つけてあげていて気づいたのは、
部屋を片づけられなかったのは
ものに居場所を作る前に
自分の居場所がなかったのだと言う
悲しい事実。
いつも、ここではないどこかに、いない自分に
戸惑っていたから、
さらに、本だの、お茶碗だの、カバンだの、
部屋の中にあるもろもろにまで心を配れるはずなかったのか、
と。
気づく。
ここではまだまだ旅人モードだと言うのに、ね。
きっと居心地がいいんだわ。
いつかたどり着く小豆島も、そんな場所であってほしいな。
ゆっくりゆっくり、お部屋が
箱から住まいに育ちつつあります。