トラウマの記憶、幸せな記憶より残りやすい(ロイター)の記事によると、幸せな記憶がどんどん消えていくのに、不幸な記憶は色あせずに維持されるのだ、と言うことが研究でも証明されたのだそうです。
私は、小学校に入るころに、すでに「楽しいことはどうしてこんなに忘れるんだろう」と言うことに気付いてしまってから忘れることをとても悲しいと思うようになったのだけど、そんなふうに、原始的な魂(だよね、保育園のこどもの魂って。もしかして、生まれついた時から魂ってのは完成しているのかな)が思うことを科学が証明するのにン十年かかるんですね。
それは、トルストイが、アンナカレーニナで言ってたように、
幸せな家族はそれぞれに似通っているけれども、不幸せな家族はそれぞれに違う悲しみを生きている
(言葉の細かいところは違うと思いますが)というのも似た感覚なのかなあ。
楽しいことは、すぐ忘れてしまう。と気付いた小学校1年生が日記を書き始めるのはそれから数年後。だれにも読ませない日記で、宿題もしないのに日記を書くとは何事か、と小学校の担任にイジメられたりするわけで、楽しい記憶は心の中といわず、周りの人と言わず何かしらストッパーがかかるのは何故でしょう。
でも、ライブレポを書き始めて、本当に忘れるのと勝負で書き倒すレポなのだけど、それを共有してくれるお友達に出合った時に、記憶していることも忘れることもどちらも大切な感覚だと思うようになりました。記憶しているからレポがかけるし、忘れるからいつでも新鮮な気持ちで楽しめることだって出来る所もあるし、似たような気持ちを持つ人とのつながりを感じるわけだし。
今回は実は、他の締め切り仕事が迫っててレポを書いてる場合じゃあないんですが、飛行機の中は仕事でなくてライブに注ぎ込むことに決めた!!>^o^<
元記事です。
[トロント 22日 ロイター] トラウマ的な出来事の記憶は、その体験者によって抑圧されるのではなく、はっきりと再現され得るという。カナダの研究者が5年にわたる聞き取り調査の結果として報告した。
有名な精神医学者のフロイトは、恐ろしい出来事の体験者はそれに対処するためにつらい記憶を抑圧するという理論を導いた。
しかし、ハリファックスにあるダルハウジー大の研究チームの報告によると、楽しい出来事は不幸な出来事よりも思い出されにくいという。
同チームでは、性的暴行やドメスティック・バイオレンスなどのトラウマ経験者29人に対し、それぞれのトラウマ体験と楽しい経験について聞き取り調査を実施。その3カ月後と4─5年後に再び同様の聞き取り調査を行い、結果を比較した。
報告をまとめたスティーブン・ポーター氏は、インタビューで「時間とともに急激に劣化する楽しい記憶と比べ、トラウマの記憶がどれだけ維持されるか、また今回の調査結果とわれわれが過去数年間に見聞きしたものと全然違ったことには心底驚いた」と語った。
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