私は萩尾望都か竹宮惠子かどっちかを選ぶならば、というと、迷いなく竹宮惠子派です。あれだけお二人は似た絵柄なのに、竹宮惠子はほぼ全作品を読んでいるにも関わらず、萩尾望都は数作品のみしか読んでいないほどに読んだ作品の割合も違います。
萩尾望都のポーの一族や、11人いる、スターレッドと読んだ作品は好きなのに、片っ端から読破ということにはならなかったのは、靴に小さな石が入っているような小さな違和感が気になっていたからなのかと、特集本を読んでいてなんとなく悟りました。
キーワードのひとつは「母親」。
この年になっても両親が健在だから言えるワガママ部分があるにせよ、、萩尾望都のインタビューにはしみる言葉が少なくなくて、結局そのあたりの似た部分が自分的には作品で出会うことを避けてきたポイントかなあ、なんて思いながら読んだワケです。
残念ながら竹宮惠子は教職について、創作の第一線から退いてしまったから、もう新しい作品を心待ちにすることはできません。
ならば萩尾望都を!とはならないけれども、表現することに人生をかけた天才がここにもいることを知るのは心踊るものです。困難に負けずにひとつの何かを貫く人がいることに触れるのは励まされます。